旅行記 タイ編 その17

 2006年の春夏物のオーダーにタイを訪れましたが、チェンマイでは町中水浸しの光景に出くわしました。
水浸しの街中の風景 September 2005 撮影

「チェンマイの異変」

 アジアの旅は、最近は早朝の出発となっています。いつものようにバスで関空に到着し、チェックインを済ませ出発までラウンジで時間を潰し、予定通りに離陸しました。 飛行も順調でバンコクにも予定通り到着し、乗り継ぎもスムーズに進み、チェンマイへもいつものように夕方に到着し、入国審査もまずまずのスピードで終えて、荷物も受け取りました。

 今回はいつも利用しているホテルとは別のホテルを予約したので、空港からはタクシーを利用することにして出口へ向かいました。 タクシーはすぐに見つかり荷物を運んでもらって目的のホテルの名前を告げました。いつもの道路を通ってチェンマイの街中へ入っていきましたが、運転手さんが「明日は水が来るからねえ・・。」と口にしました。 一瞬「え?」と思いましたが、この日のお天気もよかったのですが、ひょっとしたら次の日は雨でも降るのだろうか・・・くらいに思い、それ以上詳しく聞きませんでした。
 夕方も遅くなってきていましたので、道路も少し混んでいましたがあたりも暗かったのであまり気にすることもなく乗って、ホテルに着いたのですが、タクシーを降りると何か様子がいつもと違います。 ホテルのスタッフが道路側に土嚢を積んでいる様子が目に入りました。そういえば、さっき運転手さんも「水が来るよ・・。」とか言っていたなあと思いつつ、ホテルのフロントへ行きチェックインを済ませて フロントの人に聞いてみました。そうしますと、次の日にこのあたりに水が流れ込んでくるというのです。大雨があったわけではないのにどうしたのだろうと思い、さらに詳しくたずねてきますと、 どうやら、上流にダムがあるのだそうですが、そのダムの水がこれまでの大雨で許容量の範囲を超えているため、人工的に水を放水するということでした。 この1週間くらい前にも放流があったのだそうですが、それでも収まらなかったため、もう一度放水が行われるということでした。
 今まで何回もチェンマイを訪れていますが、こういう経験は初めてなのでいったいどうなるのだろうと不安に思いつつ、部屋に荷物を置きに行きました。 水が来るということですので、なるべく早く予定をこなしておいたほうが良いだろうとすぐに出かけることにしました。外に出てみますと、確かに道路のあちこちに土嚢を積む作業をしている人がいました。 街中に水が浸水してくるということですが、どの程度までくるのだろうか・・などと思いました。


 左写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影

写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影    写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影   
写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影

水浸しの街中の風景 September 2005 撮影 「街中は水浸しに」

 次の日は朝早めに起きて、朝食を取りいつも案内をお願いしているシッパーの男性が車で迎えに来てくれるのを待っていました。 ホテルから外を眺めてみましたが、昨日と何も変わったところもなくお天気もよかったので、昨日聞いた話はうそではないかと思ったりしました。
 約束の時間に、シッパーの男性が迎えに来てくれましたが、挨拶の後「今日は午後から水が来るから、早いうちに色々用事を済ませておく方がよいですよ。」と言いました。 彼がそういうので、詳しいことはわからないながらメーカーを回っていくことにしました。車の中から外を見ていましたが、どこを見ても水が来ている様子はありませんでした。 日本からオーダーをかけていたメーカーを回り、頼んだ商品がきちんとできているか確認を取っていき、さらに追加のオーダーをしたり、新しい商品を見せてもらったりしてすべて終わったのはお昼を少し回った時刻でした。 いつもの店でバーミーナムを食べて、さらにもう一件、なじみのお店を回り頼んでいた商品を引き取ってホテルへ戻りました。
 ホテルへ到着して、外へ出てみますとどうやら道路へ水が流れてきているようです。まだたいしたことはないようですが、話を聞いてみますと、ダムからあふれ出た水はピン川に流れ出し、そのピン川が増水した結果あふれ出した水が ホテルのある地面の低い方へと流れてきているということでした。たいしたことはないだろうと思っていたのですが、道路の水は少しづつ増水していくようでした。
 夕方、アクセサリーをオーダーしていたメーカーへ商品を引き取りに行くことになっていましたので、早めに行くことにしました。道路は大雨の最中のように水があふれていましたので、できるだけ水の少なそうなところを選びながら歩いていきましたが、靴の中まで水が入ってきました。 メーカーへ着くとすぐに商品を見せてもらい、不良品がないかを確かめて支払いを済ませましたが、帰り道が気になってゆっくりはしていられませんでした。用を済ませると急いでホテルへ戻りましたが、靴がびしょぬれになりました。

 次の日、目を覚ましてホテルの窓から外を眺めてみて驚きました。ホテルの前の道路はまるで川のようになっていました。 ピン川からあふれ出た水でしょうが、あまりきれいな水ではないためにごっていました。ロビーへ降りていきますと、スタッフの人たちが中へ入ってきた水を掻き出していましたが、みんな慣れているようで落ち着いた様子なのが印象的でした。 その後も水はどんどん増水していきましたが、町の人たちは水の中でも歩いていますし、トゥクトゥクも動いていますし、子供たちなどはその中でのどかに泳いだりもしていました。 事前に水が来るとの連絡が入っていたとはいえ、実際、屋内にも水が流れ込んでくるため、みんなで一生懸命掃きだしているのですが、誰一人文句をいうこともなく淡々と作業をしている様子は、お国柄の違いとはいえとても驚きでした。
写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影    写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影   
写真 水浸しの街中の風景 September 2005 撮影

>>TOP

ホームに戻る
Copyright© Miyoshi&Company All Right Reserved.