旅行記 タイ編 その11

 日本は、まだ真夏にもなっていないのですが、早くも秋・冬ものを求めてタイにやってきました。
地下鉄 July 2004 撮影

「バンコクのハイテク地下鉄」

 タイへもここのところ、年3回くらい訪れていますが、その間の変化にも驚くものがあります。 特に、今回はバンコクに、タイ初の地下鉄が開通したというので、地元の方たちも大騒ぎのようでした。

 バンコクのタクシーは日本と比べて、料金も格段に安く離れた所を訪れるのにはとても重宝するのですが、時間帯によると渋滞が激しく、 時間よめない場合もあります。また、メータータクシーとうたっていても、実際には、メーターを使わず、あらためて料金交渉をしなければいけない場合も増えてきたので、タクシーはあまり利用していません。 もっぱら、スカイトレインという高架式の鉄道を利用しています。

 行きたい所は、スカイトレインを使えばだいたいはおさえられるので、このエアコンもよく効いた、交通渋滞とも無縁の乗り物が気に入っているのですが、 タイ初の地下鉄と聞いては、とにかく一度乗ってみなくてはと、目的地方面のスカイトレインの駅と隣接している地下鉄の駅を地図から探してみることにしました。 目的地がニューロードだったので、スカイトレインの「Sala Deang」から、少し歩いて地下鉄の「Si Lom」へ乗り換えるのがいいようです。
 「Sala Deang」の駅で降りて、駅の案内板をよく見て、方向を間違わないように「Si Lom」へ向かいますと、どうやら同じ方向へたくさんの人が向かっているようです。 地図では2つの駅がくっついているように書かれていましたが、歩いてみると少し距離があります。前方を見ると、地下鉄への入り口のあたりで人があふれていました。 入り口付近では、地下鉄の係員の方が何人か案内係りとなっているのですが、その係員の方を囲んで、たくさんの人が次々と何かを尋ねているようでした。係員の方は汗だくのようでした。 人々の横を通り抜け、地下へとエスカレーターに乗りますが、かなり深くまで降りていきます。何だか日本の地下鉄に似ているようにも思いました。

 以前から、バンコクは地盤がゆるいので地下鉄を作るのは無理なのだと、地元の方から聞かされていましたので、地下鉄が開通したということを聞いただけでも驚きでした。 日本の複数の建設会社も建設に参加していたようでした。
 地下深く降りて、改札階に行き、ふと改札口に目をやると電車を降りてきた人のとても長い列ができていました。自動改札ですが、スムーズには進まないように見えました。 券売機を見ると、こちらも長い行列で、係員の方が反対側にある、チケット売り場へ行くようにと誘導していました。 流れに任せて、反対側のチケット売り場に行きますと、人も少なく係員の方がチケットを売っていますのでスムーズに買えましたが、渡されたチケットを見てびっくりしました。 それは、使い慣れたチケットとは程遠い、写真のような真っ黒のボタン(オセロの駒といった方がぴったりかもしれません。)のようなものを渡されたのです。 どうやって中へ入るのだろうかと、前に並んだ人の様子をみていますと、みんな同じように悩んでいるようでしたが、改札機のある部分にかざして入場できるようになっていました。

 無事に構内に入ると、さらに地下へ降りていくのですが、この駅は1つの階には1つのプラットフォームしかない作りになっており、行きたい方向をよく確かめてから降りなければなりません。 周りの人々もはじめてらしく、やっぱり係員の方に次々と尋ねていました。よくみて見ると、どの人もとりたてて急いでいる様子はありません。どうやら、どこかへ行きたいという目的があって乗るのではなく、とにかく初体験で乗車するのが目的で やってきたという、一種の観光気分感覚のように思われました。
 目的方向のプラットフォームへ降りていきましたが、線路側は壁になっており、電車が到着しなければドアは開かない、日本の新交通システムと同じような仕組みになっていました。 線路への落下事故を防ぐ目的なのでしょうか。すぐに電車は着きましたが、中は満員でした。目的地が2つ目が終点駅だったのですが、乗客の方もほとんど終点まで乗っていきました。 そして、終点に着いても、たくさんの人はそのまま向かい側に停まっている電車に乗り込んで、やってきた方向へ戻っていくようでした。 開通から1ヶ月間は、どこまで乗っても一定料金となっていますので、バンコクの地下鉄は一種の観光名所になっているのかもしれません。
 改札口を出るときはどのようになるのだろうと、興味津々でしたが、改札機にコイン入れのような個所があり、その中へ黒いボタンのようなチケットは吸い込まれていきました。  左写真 地下鉄 July 2004 撮影

写真 地下鉄切符  July 撮影    写真 信号機 July 2004 撮影    写真 地下鉄チケットと信号機 July 2004 撮影

サーペーパーの工房 July 2004 撮影 「サーペーパーを求めて」

 今日は、日本の和紙によく似た、タイのサーペーパーという紙を求めて工房を訪れる予定です。工房は街中からかなり離れた場所にありますので、 日本から連絡していたシッパーの方に車で迎えに来ていただきました。

 幹線の道路をかなり走った後、わき道へと入っていくとショールームを併設した工房が見えてきました。以前も訪れた所ですので、車を降りるとすぐにショールームの中に入り、 ペーパーを選びにかかりましたが、オーナーの女性がニコニコしながら出てきて、ショールームの奥にある建物の方へ案内されました。
 ショールームと建物の間は広い空き地になっており、ふとみると柱と屋根だけで構成された建物の中で、紙漉きをしている様子が見えました。 オーナーはあとからゆっくり見たらいいからと言ってくださったので、まずはペーパーの選定に取りかかることにしました。 案内された建物の中は、数え切れないくらいの何種類ものサーペーパーが、あちらこちらにうず高く積まれていました。色とりどりに並べられており、見ているだけでもとてもきれいです。 が、選び始めると、その種類の多さに改めて驚きました。

 サーペーパーというのは、日本の和紙によく似ていますが、和紙が楮(コウゾ)を素材に用いているのに対し、サーペーパーは名前のとおり、Saa(サー)という木の皮を素材としています。 製法は機械漉き・手漉きの違いによって独特の凹凸のある表面の風合いが変わってくるようです。また、サーペーパーには、花や葉あるいはたまねぎなどの野菜の皮などが漉き込んであるものもあり、 そのバリエーションにも富んでいます。無地のものはあくまで落ち着いた感じで、また大花を漉き込んだものはとても華やかな感じです。

 お客さまのご要望などを思い出しながら、倉庫の中を端から順番に、華やかな柄行と、無地っぽい柄行をとにかくどんどん選び出しました。 そして選び出したものをすべて床の上に並べて、色合や柄などをバランスよく絞り込んでゆきました。同じような雰囲気で微妙に違っているものなど、どちらにしようかとすごく悩みます。 一旦はずしたものをまた選んでみたりと、頭を悩ましながら、何とか絞り込みました。
 計算をしてもらっている間に、紙漉きの様子を見学したらということになり、さっき見た空き地の方へ行ってみました。 この時期、タイは雨季なのだそうですが、今日はお天気も良いので、建物の前には漉き終えた漉桁がいくつも並べて干されていました。 そして、その奥で年配の女性が手際よく紙漉きをしていました。日本の場合、簀(す)を何度も何度も揺らして漉いていきますが、素材の違いからか、ここでは手やローラーのような器具を使って素材を平らにし、漉いた後、漉桁ごと干していました。 和紙は薄くつややかな洗練された感じがするのに対し、サーペーパーは厚みがあり、ワイルドな感じがするのはその製法の違いによるのかと思いました。
右写真  サーペーパーの工房 July 2004 撮影
写真 サーペーパーの工房 July 2004 撮影    写真 サーペーパーの工房 July 2004 撮影    写真 サーペーパーの工房 July 2004 撮影

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