旅行記 インドネシア編 その3

 日本人にも大人気のインドネシアですが、色々な雑貨の宝庫でもあります。今回はその雑貨探しの旅です。
頭で運んでいる様子 December 2003 撮影

「頭を活用」

 今日も、イレーナさんが朝早くからホテルまで迎えに来てくれました。バリに来てから連日のように探し回っている木彫品を探す予定です。 木彫品のお店はもちろんたくさんありますが、こちらが欲しい商品とは微妙にデザインや細工が違っていて、なかなかこれ、といったものにめぐり会えません。
 とにかく、市場を探し回ることから始まります。この日もイレーナさんの案内で、一つの市場を訪ねました。日本の郊外のショッピングセンターのような4階建ての大きな建物です。 どこの国へ行っても同じようですが、とにかく小さなお店がひしめくようにして集まっています。狭い入り口から中へ入りますが、それぞれのお店の売り込みが激しく、 中にはお客の手を引っ張って、中へ引っ張り込むようなところもあります。一軒づつ、小さな商品も見逃さないようにしながら見て回ります。 2階、3階とまるで迷路のような通路を進むうち、やっとお目当ての木彫の面のお店が見つかりました。
 以前買い付けたものとは、デザインが少し変わっていますが、値段を確かめると大体予想した価格でしたので、気に入ったものをどんどん選んでいきました。 サイズも3種類ほどありますので、それぞれで選んでいくのですが、注意して見なくては、天然の木ですので、ひびが入っていたり割れ目が入っていたりするものもあります。 店に並んでいるものだけでは数が少ないようなので、オーナーらしき女性にもっとないかとたずねてみますと、「ちょっと待ってください。」といってどこかへ行ってしまいました。
 しばらく待っていますと、その女性がお面を持って戻ってきました。もう一人お面を持った女性が一緒でした。どうやら、近くのお店の方のようです。 そういえば、メキシコなどでも、市場などで商品を買い、支払いの時におつりが必要な時、お店の方が小銭を持っていない場合もあるのですが、近所のお店の方におつりを借りる場合があるのです。 ご近所のお店同士、助け合うとでもいうのか、そういった場面がよく見られます。
 すべて選び終わり、支払いも済ませたのですが、何分大型商品のため私たちだけでは運び切れそうもありません。オーナーに車まで運ぶのを手伝ってほしいとお願いしてみますと、 快く承知してくれました。そのお店には男性もいたので、てっきりその男性が運んでくれるのかと思っていたのですが、手伝ってくれたのは、女性のスタッフでした。 それも、すらりとした方だったので、どうやって運ぶのだろうと見ていますと、一枚筒きちんと包装した大きなお面を何枚も重ね、驚いたことにそれを頭に載せ、残りの商品を左手に持ちました。 内心、大丈夫だろうかと心配したのですが、その女性は慣れているらしく、うまくバランスをとりながら、通路を抜け、階段を下りて、車のところまでどんどん運んでくれました。

 走っている車から、気をつけてみていますと、ここバリ島では、女性が頭に籠を載せて歩いているのをよく見かけます。 たいていは、神様へのお供え物なのだそうですが、寺院にお供えして礼拝したあと、またそれをもって帰るのだそうです。男性のそのような姿は見かけませんので、 女性の毎日の大切なおつとめなのでしょう。
 それにしても、人の頭というものの活用方法を再認識したように思います。
 左写真 頭で運んでいる様子 December 2003 撮影

写真 頭で運んでいる様子 December 2003 撮影    写真 バリの風景 December 2003 撮影   
写真 バリの風景 December 2003 撮影

Padi Pradaからの田園風景 December 2003 撮影 「一息ついて」

 どこの国へ行っても、連日慌しく、新しい商品を求めて歩き回っていますので、観光のための時間はなかなか取れません。 もちろん、商品を見れば、それぞれの国の個性が出ていて違いがわかるのですが、せっかく訪れた国の、それぞれの空気の違いも少しはゆっくりと味わいたいと思います。 買い付けの合間の食事は、それぞれの国を味わう唯一の時間なのかもしれません。
 インドネシアの中でも、このバリ島は、特に時間がゆったりと流れている島だといわれています。毎日異なったレストランへ案内していただきましたが、 それぞれのお店から望む風景は、どこまでものどかなものでした。

 最初の日はウブドにある「Padi Prada」というレストランでした。道路に面している入り口から2階へ案内されたのですが、 目に入ったものは、見渡す限りのどこまでも続く緑豊かな田園風景でした。眺めているだけで、気持ちがゆったりとしてくるのが実感できるのです。 この時期、バリは雨季にあたりますので、午後からは必ずといっていいほどスコールにあいます。この日も、ちょうど食事をはじめた頃に雨が降り出したので、 スタッフの人が、すだれのようなものを下ろそうとしたのですが、せっかくの眺めをさえぎられるを嫌って、雨が降り込むのもものともせずに、 そのまま、静かな田園風景を堪能しながら食事をしていました。
 二日目は、バドュン海峡が見渡せる「Lotus Bungalows」というホテルのレストランでしたが、一歩中へ入ると目の前に海が広がっています。 テラスにもテーブルが並んでいて食事ができるようになっているのですが、まるで目の前の海の風景と一体化するような感じでした。 南国特有の木も立っていますが、それが気持ちをよりゆったりとさせてくれるようです。 この日も朝早くから商品を求め、随分歩き回り午後もかなり過ぎても昼食でしたので、随分疲れていたのですが、 その風景を目にしただけで、疲れも吹っ飛んでいくようでした。本当に、時間が止まるというのはこういうことなのかと実感した一時です。

 その中で味わう料理もまた、独特のものでした。 インドネシア料理の中でよく知られているものは、「ナシゴレン(Nasi Goreng)」、これはインドネシア版チャーハンです。香辛料も辛味も気にならない程度で、とても食べやすい料理です。 ホテルの朝食のメニューにも含まれていました。
 昼食で食べやすかった料理は、「ナシチャンプル」です。真中に、白いご飯が置かれており、それを取り巻くように、いろいろなおかずが並んでいます。 味付けも様々なものが少しづつ並べられているので、とても食べやすくなっています。一つが少々辛くても気になりません。 色々な味付けを試すのには、ちょうど良いのではないかと思いました。 レストランでは、決まったおかずが乗っていたのですが、最後の日に入った、テイクアウトも可能なお店では、バイキングのように並んだ色々なおかずから、 好きなものだけを選べるようになっていました。
右写真  Padi Pradaからの田園風景 December 2003 撮影
写真 ナシ・チャンプル December 2003 撮影    写真 BEBEKJABUL December 2003 撮影    写真 インドネシア料理 December 2003 撮影

>>TOP

ホームに戻る
Copyright© Miyoshi&Company All Right Reserved.