「楽器工房へ」
バリには海外から移住する人々も多いと聞きますが、その中にはかなりの日本人も含まれているようです。
街中には民芸品のお店もたくさん並んでいますが、商品に惹かれてお店に入っていろいろお話を伺っていると、
オーナーが日本人だったりすることも少なくありません。さすがに、日本人好みの商品に仕上げているなあと感心します。
そのせいか、街中を歩き回り、あっちのお店、こっちのお店とはしごをするうちにあっという間に時間は過ぎていきます。
気がつけば、もうあたりは真っ暗で歩き回ったせいでおなかもすいてきました。そろそろ引き上げて夕食を取ろうということになり、
車へ戻ろうと道を歩いていると、探していたジャンベやディジュリドゥなどが目に飛び込んできました。
とにかく、話を伺っておこうと店に入り、商品の素材や作り、値段などを確かめました。
楽器の種類も数もたくさんだったので、工房を持っているかと聞いてみたところ、店の裏にあるということなので、
見せてもらえないかと頼んでみましと、快く案内してくれました。
店の横の路地を入ったところに、小さな工房がありました。中では、若い男性がレインスティックにアボリジニの柄を描きつけているところでした。
ジャンベやディジュリドゥなどが、木をくりぬかれたままで山積みにされています。
木材の加工も同じ場所でしているのかどうか尋ねると、この店では絵付けだけを行っているということでした。
最近では、楽器なども一つの工房で一から作られるということも少なくなりつつあるようです。あらかじめ出来上がったボディを仕入れて、
それに絵付けなどの仕上げをしているようです。
絵付けだけといっても、何種類か手法があるようで、一つの部屋ではアボリジニの柄の点描のような絵付け作業をしていますし、
もう一つの部屋では、ハワイを連想させるような水彩画のような絵付け作業をしていました。
そういえば、インドネシアで商品を探す場合も、一つの商品で産地はありますが、そこである程度まで商品を仕上げたあと、
最後の仕上げをバリ島などで行っているという話を日本で聞いたことを思い出していました。
一通り作業を見せていただき、もう一度お店の方へ戻って、商品の値段や納期を確かめて、改めてオーダーするということにし、そのお店を後にしました。
左写真 楽器工房 December 2003 撮影
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