旅行記 タイ編その5

 前回のタイへの旅は、楽器を買い付けたあと体調を崩してしまい悔いの残る旅となりました。今回はそのリベンジの意味も含めての買い付け旅です。
Riverside Bar June 2002 撮影 「豪雨」

 郊外から帰って、本日の夕食はピン川の川沿いにある「Riverside Bar」へ行くことにしました。 以前から、チェンマイに来たときには、仕事仲間の方によく連れて行ってもらった洒落たレストランです。 日本人は少なく、欧米人の比較的多い店ですが、そのせいか味付けもそう辛くありません。 ホテルからは少し距離があったので、なじみになったトゥクトゥクの運転手さんと再度値段交渉をすると、 今度は「いくらでもいいよ。」と言われるのでちょっと面食らいましたが、乗せてもらいました。

 店の中はすいていて、テラスの方へ案内されましたが、さすがにテラスは込んでいるようでした。 すぐ横をピン川が流れており、屋型船のような船が浮かんでいます。テーブルに下で足にカチッとあたったので何かと見てみますと、蚊取り線香が置いてありました。
まず、飲み物はKLOSTER(クロスター)ビールです。タイでは、このKLOSTERとSINGHAという2種類のビールが一般的ですが、KLOSTERの方が飲みやすいように思います。 メニューは「Tom ka kai」(チキンココナツスープ)「Pat THAI」(タイ風や焼きそば)「Deep Fried Golden Shrimp Kake」(えびのすり身揚げ)でした。 スープのメインは名前のとおりエビですが、香り付けのための竹の皮、にら、しょうがなど香草野菜がたくさん入っています。甘酸っぱい味ですが、味付け自体はさっぱりしています。 エビのすり身揚げはカツになっていますが、こちらでは揚げ物にハチミツソースをつけていただくのです。焼きそばも甘酸っぱい味付けですが、マイルドに思います。

 ロケーションも抜群でおいしい料理に舌鼓でだったのですが、来るときから少し心配していた空模様がどんどん怪しくなってきました。 遠くでゴロゴロと雷の音がしていますし、いつ雨が降ってきてもおかしくないくらい真っ暗になってきています。そういえば、この時期タイも雨季のはずです。 そうこうするうちに、ぽつぽつと大粒の雨が降り始めました。
ウェイトレスの女性たちが大慌てで、テラスの横に巻き上げてあったビニールシートを下ろしていきます。 まもなく大雨になりました。風もかなりきつい様子です。ビニールシートが下ろされたとはいえ、隙間からはどんどん雨が吹き込んできます。 隣のテーブルはまともに雨が降り込んできて座っている人までもぬれてきますので、順番にテーブルをずらせていきました。
食事もほぼ終わってしまいましたがこの豪雨の中では、動くわけにもいきません。 揃えてもらっている商品を引き取りに行く約束の時間が迫っていますが、とにかく待つしかありません。 雨に遭ったのは、後にも先にもこの時だけだったのですが、それにしてもすごい降り方です。 もし、買い付けの最中で遭遇していたら・・・と思うと、この時間帯でよかったと思いました。

 30分もたったでしょうか、取引先との約束も気になりますので、少し小雨になったのをみはからってトゥクトゥクを呼んでもらいました。 雨だというので、交渉金額も高くなりましたが仕方ありません。
 いざ乗り込もうと、トゥクトゥクの中を見て見ますとすでに座席には小さな子供が座っています。足元には小さなリュックまで置いています。 相乗りで他にもお客さんがいるのかとたずねて見ますと、実は運転手さんの子供さんでした。家ではもう一人小さな赤ちゃんがいるそうで、子供連れでの仕事だそうです。 慣れているせいか、子供さんも乗っている間中とても静かに、お父さんの言うことをよく聞いていました。 タイでは、子供たちも小さい頃からよく働いていますが、そのせいかすごいたくましさを感じます。生きていくことの厳しさを小さいときから身に付けさせられているような感じがします。 街中にその若さのエネルギーとでもいったらいいのか、そういった大きな力があふれているようです。

トゥクトゥクもお客が乗る後ろの座席を囲むようにビニールシートが下ろされていましたが、 運転席はそのままで雨の降り込むままになっています。
動き出したのはいいのですが、来た道とはまったく反対の方向へ進みだしたので、どこへ行くのだろうと心配になりましたが、 どうやら一方通行が多いためか、迂回しながらでないと道がないようです。 行きよりは少し時間はかかりましたが、無事にホテルへ帰りつきました。  写真 Riverside Bar June 2002 撮影

城壁 June 2002 撮影 「オールドチェンマイ」

 チェンマイ最後の日は、それまで見て回った商品の中で絞り込んだものだけを買い付けました。
チェンマイだけでも結構な量になったのですが、それらをまとめ次の目的地バンコクへ向かいます。 ホテルの送迎車は予約を入れておけば空港まで無事に運んでくれますので、とてもスムーズです。
窓から見える風景は、チェンマイがかつて北タイ一帯の首都として栄えた街だけあって、いたるところ崩れかかった城壁や城門、堀、古びたお寺などを目にします。城壁の中は今も「オールドチェンマイ」と呼ばれている所です。 観光抜きの旅ですから、こういったわずかな移動の時間が、旅の情緒に浸れる時間かもしれません。  右写真 城壁 June 2002 撮影

テンバー June 2002 撮影 「バンコク」

予定どおりに飛行機もバンコクに到着しましたが、ここでもまたホテルからの迎えの車が来てくれることになっています。 ホテルからといっても大型の送迎車ではなく個人的な迎えの車ですので、すぐわかるだろうかと少し不安でしたが、出口のところでこちらの名前を大きく書いたプラカードのようなものを揚げた男性が待っていてくれましたので、すぐにわかりました。
車も大きく同乗者もなかったので、ゆっくりとホテルまで向かえます。お昼前でしたが、バンコクは車が多く渋滞状態が長く続くので、ホテルまで40分くらいかかるそうです。バンコクの道路は本当に1日中渋滞状態のように思います。 運転手さんはとても陽気で、話し好きの男性で、ホテルにつくまで色々と話し掛けてくれました。

そういえば、車のフロントガラスにジャスミンの花輪のようなものをぶら下げているのが気になったので、どういうものなのかたずねてみました。 それは、「テンバー」といって幸運のお守りなのだそうで、大体ほとんどの車についているそうです。交通安全の意味合いが強いと思います。次々とすれ違う車のフロントガラスを指しては「あの車にもついているだろう。ほら、あの車にも・・・。」と解説してくれます。 あとで気が付いたのですが、チェンマイではそれほど目に入らなかったのですが、バンコクの街を歩いていると、道路のあちらこちらでこの「テンバー」を作っている光景を目にします。日常生活の上で大切なお守りなのでしょう。 ジャスミンも造花ではなく生花を使うので、ちょくちょく取り替えなくてはならないようです。ジャスミンの花には「清める」といった意味合いがあることを聞いたことがあります。
日本でも、交通安全のお守りがありますし、メキシコでもフロントガラスに十字架をぶら下げていますし、それぞれの国で色々なお守りがあるのがとても興味深いものです。
タイはご存知のとおり仏教国ですが、日本人の我々も仏教徒だと話すととても驚いていました。この男性は日本人もキリスト教徒だと思っていたようでした。同じ仏教徒だということで親しみを持ってくれたようで、 タイでは、仏様の前では3度拝礼をすることなどその作法についても熱心に話してくれました。

そうこうしているうちに、ホテルが近づいてきましたが、帰りの車は用意しているのかと聞かれたので、まだだというと帰りも来てあげるからと、値段の交渉です。 最初はずいぶん高い値段を言っていたのですが、せめぎあいの末にこちらの値段でOKしてくれましたので、これで帰りも車であわてずに済むと内心ほっとしました。

今回のホテルは、「Siam Inter-Continental Bangkok」です。目の前にスカイトレインのサヤーム駅があるのでとても便利な場所です。 連日、このスカイトレインを使って、あちらこちらへと買い付けをすることになります。  写真 テンバー June 2002 撮影

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