「ソンブレロ」 August 2006


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ソンブレロ

 メキシコでは昼食を一番大切にしており、工房もお店もお休みにして、時間をゆっくりとっていただきますが、その時に食事をいっそう楽しませてくれるのが、マリアッチによる演奏です。 マリアッチといえば、すぐ思い浮かぶのは頭にかぶる色々な飾りの入ったソンブレロです。
パイナップルの踊り 「ソンブレロの由来」

 ソンブレロとはスペイン語で、先のとがった山高帽を意味しています。ソンブレロは固いフェルトで濃い目の色で作られており、そのブリム(つばの部分)には金糸、銀糸など色とりどりの糸とスパンコールで華麗に装飾されています。
 ソンブレロの由来はスペインの「スパニッシュ・ハット」から派生しているのではないか、あるいはアメリカの「カーボーイハット」 から派生したのではないかなど、色々と説があるようですが、はっきりしたことはわかりません。が、2つが融合しているようにも思われます。

「スパニッシュ・ハット」

 スペインのスパニッシュ・ハットの原型と思われる帽子は、17世紀のヨーロッパで使われていた、バックルの飾りやいくつかのリボンがついた大型のフェルト帽子です。 この帽子は大き目のブリム(つばの部分)のついたフェルト帽で、クラウン(実際に頭にかぶる部分)の頭頂部は平らです。ブリムは巻き上がっているものもありますし、レコード盤のように水平なものもあります。 色目は圧倒的に黒色が多く、スペインではフラメンコを踊るときに男性ダンサーがかぶっているものです。  

「カウボーイ・ハット」

 カウボーイ・ハットはアメリカ産です。テンガロン・ハットと同意義に使われていますが、厳密にはテンガロン・ハットはカウボーイハットの1種類に過ぎないそうです。 テンガロンというのはカウボーイがその帽子を使ってくみ上げた水の総量が10ガロンにも及んだという説もありますが、スペイン語の「ひも、編む」を意味するgalonに由来するという説もあるそうです。 カウボーイ・ハットも大き目のブリムで両サイドが少し反り上がっています。そして、スパニッシュ・ハットとは違ってクラウンの頭頂部がつまんだようにへこんでいるのです、あご紐はあったりなかったりします。 色目はカーキ色やこげ茶が多いそうです。  

「マリアッチの語源」

 メキシコの音楽といえばすぐ思い浮かぶのが「Mariachi」(マリアッチ)ですが、このマリアッチの語源はスペイン語でもアステカの言葉でもないそうです。 100年ほど前に、メキシコに住んでいた一人のフランス人の男性が、知人の結婚式で流しの楽士たちを呼び集めて、楽しく陽気に騒いだのだそうです。 このときに、彼はフランス語で「マリアージュ、マリアージュ(婚礼だ)」と叫んだといわれています。この「マリアージュ」が「マリアッチ」になり、以後流しの楽士のことを「マリアッチ」と呼ぶようになったいわれています。
 メキシコ中部のハリスコ州、グアダラハラにその発祥の地といわれているマリアッチ広場があります。
 マリアッチの楽士たちは、チャロと呼ばれる牧童貴族の衣装に身を包み、頭にはソンブレロをかぶって、お客のリクエストに答えてセレナータなどを奏でます。使用される楽器は、バイオリン、ギター、ビオラ、ギタロン(大型ギター)、トランペットなどです。  


引用文献 「帽子の物語」 河出書房新社刊


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