「ハバネロ・サルサ」
February 2006
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・ハバネロ・サルサ
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メキシコ料理に欠かせないのが、サルサ(salsa)と呼ばれるソースですが、今回はそのサルサのご紹介です。
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「サルサの語源」
タコスなどに使われるソースを「サルサ」と呼んでいますが、サルサというのはソースの意味になります。
「サルサソース」はソースソースという意味になってしまうのです。
メキシコでは辛い唐辛子を使ったソースは「サルサ・デ・チレ」と呼ばれており、タコス屋さんへ行くとテーブルの上に置いてあります。
そこでは、名前を略して頭の「サルサ」だけで呼ばれることが一般的になり、代名詞となってしまったものが料理名に転化してしまったそうです。
メキシコには各種の唐辛子を使ったソースが、地方の物も含めると何百もあり、その一つ一つすべてに名前がついています。
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「チレ(Chiles)」
チレ(唐辛子)は、熱帯アメリカの原産で、その起源はあまりにも古く、メキシコでは8000年以上も前から食べられていたそうです。
メキシコ中央高原では紀元前4000年頃から栽培も始まったそうです。コロンブスにより世界中に伝えられ、現在では重要な香味野菜、香辛料などとして世界中で愛されています。
チレはナス科に属し、熱帯地域では多年草、温帯地域では一年草で、甘味種と辛味種とに分けられますが、日本では薬味的なものと捉えられ、赤唐辛子や青唐辛子がよく知られていますが、
メキシコではチレの種類も黄色から赤黒いものまで、色だけでなく大きさもさまざまにあります。
チレ・ハラペーニョ、チレ・モラ、チレ・カスカベル、チレ・セラーノ、チレ・ムラート、チレ・パスィージャ、チレ・ウァヒージョ、そしてチレ・ハバネロなど約30種類くらいが料理に使われています。
チレにとって辛さも重要ですが、さらに苦い辛さ、甘い辛さ、コクやうま味などそれぞれの持ち味がさらに重要になっています。そして、その持ち味を活かしていろいろなサルサが作られるのです。
メキシコ料理においてチレは欠かすことのできない大切な材料で、野菜として使われるほか、サルサの材料として、焼き、焙り、焦し、揚げるなどさまざまに使われます。そして、このチレ文化といえるものはメキシコ独特の食文化なのです。
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「チレ・ハバネロ」
チレ・ハバネロは、メキシコのユカタン半島が原産とされ、世界一辛いと言われている唐辛子です。長さは約3cmくらいで、緑色、黄色、赤色、オレンジ色もあります。
辛さの度合いには、スコヴィルという単位が使われますが、ハバネロの辛味は、300,000スコヴィル程度。これは、チレ・ハラペーニョの約80倍、タバスコの約10倍の辛さに当ります。
「世界一辛い」と言われることから、一部の激辛マニアには珍重されているハバネロですが、まだ一般的に日本人には馴染みがうすいものです。品種によるトウガラシの味の違いには、スコヴィルの数値だけでは単純に比較できない要素もあり、
ハバネロの辛味は、日本の一般的な赤唐辛子やハラペーニョとも異なる独特のものとされています。
ただ辛いだけではなくフルーティな香りをもつのも特徴で、攻撃的な辛味のあとに芳しい香りが残る魅力的な香辛料です。
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「サルサミュージック」
余談ですが、メキシコの家庭料理に欠かせないサルサは、メキシコをはじめとする中南米の文化そのものにも影響を及ぼしています。その代表的なものといえば、サルサ・ミュージックです。
この陽気なラテン音楽は、サルサと大きく関わりあいがあるのです。キューバ革命が起こった1959年ですが、当時、キューバ音楽をお手本にしていたラテンのミュージャン達は、
これから何を目標にしていっていいのか分からなくなってしまいました。そこで、ソウル、ジャズなど、いろんなジャンルの音楽をごちゃまぜした新しい音楽を創ったのです。もともとソースのサルサは、いろんな材料を混ぜて作られるものです。
そこから名前が生まれたそうです。
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引用文献 「魅力のメキシカン料理」 旭屋出版
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