「BATIK(バティック)」
August 2005
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「BATIK」(バティック)は、いわゆるジャワ更紗のことで、インドネシアで生産されているろうけつ染の生地をさしますが、今回はその「BATIK」のご紹介です。
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「インドネシアという国」
インドネシアは東南アジアの共和国で、人口、面積、文化水準等の高さなど、東南アジア最大の国です。
その広大な海域に浮かぶ13,000あまりの島々、そして3,000以上の数多くの民族から構成されている多民族国家です。
それぞれの民族はそれぞれの言語や文化や伝統をもっていますが、その中のただ一つの言語、一つの文化や伝統を強要するのではなく、お互いの相違を理解し、それを基として新しい国家、文化を創造していくことが
国の理念となっています。つまり、宇宙を基とした、すべてのものを生かす素晴らしい理念となっているわけです。
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「ジャワ更紗の歴史」
バティックはインドネシアの宗教や政治とは切り離せない関係にありました。王宮でも重用されたことによって、バティックは芸術性も高く、クオリティも高いものとなっていきました。 インドネシアでは、最初仏教徒が多かったのですが、やがてヒンドゥー教が優勢となり、次にイスラム勢力が増大していきました。その中で、文化や伝統は宗教が変わっても、それ以前の信仰や文化が消滅するのではなく、それぞれが融合して新たなものへと変化していくこととなりました。 これらの背景のもとに衣であるジャワ更紗も芸術性の高いものが出来上がっていったのでした。ジャワ更紗の起源については18世紀後半ではないかといわれています。
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「バティックの種類」
1. |
バティック トゥリス(手描きバティック)
古くからの伝統的技法で、模様すべてが手描きによるものです。チャンティンに溶かしたロウを入れて丁寧に描いていきます。製作には何ヶ月もかかりますが、この種類は熟練した大作品になると、
非常に高価なものもあります。
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2. |
バティック チャップ(型押しバティック)
チャップという銅製のスタンプで模様をつけていきます。型でどんどん模様をつけているので模様パターンは一定しています。比較的安価です。
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3. |
バティック プリント(プリント)
「サプロン」もしくは「バティックチェタック」と呼ばれている、いわゆるシルクスクリーンプリントです。バティック風の模様を染めたもので、本来はバティックとは呼べませんが、一般大衆に手が届く値段が魅力となっています。
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4. |
バティック コンビナシ(コンビネーション)
型押しのチャップ模様と手描きの模様を混じり合わせたものです。値段も手描きと型押しの中間くらいになっています。
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「バティックのデザイン様式と文様」
ジャワ更紗は大別すると、古典様式、中部ジャワ様式、ジャワ北岸様式の種類があります。
古典様式は、格子など幾何学的なチュブロック模様(格子・亀甲繋ぎ・七宝繋ぎなどの連続模様)や蔦や草花のモチーフを主としています。
藍染めによる青色で、頭巾や肩掛けなどの用途に用いる。
中部ジャワ様式は、宮廷文化の下で生まれました。ヒンドゥージャワ時代の伝統をふまえた柄が多く、車線模様、蔓草花模様、亀甲七宝模様、織り模様などがあります。
色は茶褐色と青色に限定されており、腰巻、腰布、頭巾などに使われています。
ジャワ北岸様式は、世界中の模様が取り入れられており、多様な色使いで華やかです。腰巻、腰衣、肩掛け、祭壇布などと多様です。
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「バティック文様の主な種類」
パラン |
S字状のらせん連続模様を斜め縞にしたもの。
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グリンシン |
うろこ状の地模様
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ガルーダ |
ヒンドゥー教の聖なる黄金の鳥を組み込んだ模様。
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トゥンパル |
クパラ(布端のボーダー柄)に描かれた鋸状の模様。
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スメン |
植物の茎や新芽をモチーフにしたもの。
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ウダン・リリス |
細かい斜め縞模様。
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カウン |
輪切りの椰子の実のモチーフにした模様。
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チュブロック |
格子、亀甲繋ぎ、七宝繋ぎなどの連続模様。
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引用文献 「BATIK」京都書院刊
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