「トルティージャ(トルティーヤ)プレス」 September 2004


ご注文はこちらへ
トルティージャプレス

 今回は、まもなく入荷予定の、メキシコの食生活とはきれ離せない、「トルティージャ(トルティーヤ)」を作るときに使われる「トルティージャ(トルティーヤ)プレス」のご紹介です。
トルティージャプレス 「メキシコの食材」
 メキシコはコルテスの征服以降、スペインの影響を多大に受けましたが、「食」という面では、今なお、マヤ、アステカ文明の土台の上にしっかりと根付いています。
 アステカ王国の時代から、食材としてとうもろこし、じゃが芋、さつま芋、トマト、唐辛子、かぼちゃ、豆、チョコレートなどが豊富に使われていました。これらの食材は、後にスペイン人が、 本国に持ち帰り、世界中に広まり、それぞれの国の料理に大きな影響を与えました。トマトのないイタリヤ料理やじゃが芋のない北欧料理、唐辛子のないアジア料理など考えられません。 そして、スペインからメキシコへは米、玉ねぎ、にんにく、豚肉などが伝えられ、それらは、今やメキシコ料理にとってなくてはならない食材になっています。
「メキシコの食生活」
 メキシコ人の一般的な食生活は、「Desayuno」(デサユーノ 朝食)、「Comida」(コミーダ 昼食)、「Merienda」(メリエンダ 午後の軽食)、「Cena」(セーナ 夕食)と、 一日4回に分けられます。朝食はフレッシュジュース、卵料理、トルティージャ(トルティーヤ)などで済ませ、昼食がメインとなります。午後の2〜3時間くらいかけてゆっくりと食事を楽しみます。 その時間帯は工房やお店もお休みになる所が多いようです。そして、「Merienda」でコーヒーやケーキなどの軽い食事を取った後、夕食も軽く簡単に済ませることが多いようです。
 習慣的に間食を取ることも多いようで、タコス屋さんは一日中にぎわっているようです。

「主食としてのトルティージャ(トルティーヤ)」
 メキシコ人の主食はトルティージャです。トルティージャ(トルティーヤ)はとうもろこし粉を練って、薄くのばして焼いたものですが、その歴史は古く、 紀元前4000年まで遡るともいわれています。
 メキシコの遺跡でも、とうもろこしを描いた彫刻や絵が数多く見られます。マヤの神話では、現在の人間はとうもろこしの人間であり、もともとは轢いたとうもろこしの粉と 神々の血から作られたとされています。人の手をかりなければ繁殖できないとうもろこしは、人間の友であり仲間であると考えられていました。 このように、古代よりとうもろこしは特別な食べ物だったわけです。
 トルティージャ(トルティーヤ)という名前ですが、アステカ時代は「Tlaxcalli」(トラスカリ)と呼ばれていました。スペインで平たい卵料理を意味する言葉が「トルティージャ」だったのですが、 スペイン人がメキシコで初めてそれを見たとき、その語感、形状の類似性から「トルティージャ(トルティーヤ)」と命名しそれが現在も使われているそうです。

 トルティージャ(トルティーヤ)の昔ながらの作り方は、とうもろこし(日本のスウィートコーンではなく、粒がもっと大きくて白っぽく、甘みのない硬粒種のもの)の粒を石灰を加えた水に一晩浸し、次の日の茹でて石臼ですり潰します。 すり潰したものを「マサ」といい、「マサ」を両手のひらで薄い円状にのばし、焼いたものが「トルティージャ」となるわけです。石灰の作用でとうもろこしの粒の表皮が取れやすくなり、 ふくらし粉を役目までしてくれて、特有の香りを強め、カルシウムの補強にもなり、さらに、酸性食品であるとうもろこしにアルカリ性の中和剤として消化も助けてくれます。
 しかし、この作り方を続けている人も現在では少なくなり、とうもろこしの粒も機械で潰し、鋳物の2枚の板状の道具でのばしています。 そして、この鋳物の2枚の板状の道具が「Prensa」(プレンサ)と呼ばれている「トルティージャプレス」なのです。

 最近では日本でも世界中の食材が輸入されており、この「トルティージャ(トルティーヤ)」も手づくりされている方が増えているようです。 当店でもお問い合わせがありますので、「トルティージャ(トルティーヤ)プレス」を取り扱う予定になっています。手づくりを楽しみながら出来上がるトルティージャは、きっと極上の味になることでしょう。


引用文献 「マヤ・アステカ神話宗教辞典」 東洋書林刊
引用文献 「魅力のメキシコ料理」 旭屋出版刊

ご注文はこちらへ
トルティージャプレス
>>TOP

ホームに戻る

Copyright© Miyoshi&Company All Right Reserved.