「タイの木彫品」 May 2004


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木彫品

 日本をはじめ、世界中で木彫品は作られていますが、素材の木やデザインなどは各地で特色があります。タイの木彫品は、重厚な趣があります。
バラフォン 「木彫品の素材」
 タイでも家具から工芸品、そしてちいさな民芸品まで色々な木彫品が作られています。
 使われる素材は、伝統的にチーク材でした。広葉樹のチーク材は、高温多湿な東南アジア一帯を原産地とする木材で、吸湿による狂いが極めて少なく、強度、耐久性が非常に高い木材です。 油分を多く含むため、美しい光沢の木肌になります。高級家具、建築の装飾用材として、屋内外を問わず使われていますが、タイ等では近年、伐採が禁止されました。 そのため、最近は廃屋になった建物に使われたチーク材を再生して使われることが多いようです。
 チーク材自体が減少しているため、民芸品などの素材には、モンキーウッドと呼ばれている素材が使われることが多いようです。
「木彫品の工房」
 木彫品の工房は、たくさんありますが、規模的には家内工業のような小さなところが多いようです。
 日本からコンタクトを取っていた、古木のフレームを作っている工房を訪ねましたが、この工房はマーケットから外れた所にありましたので、 住所を見ただけでは場所がわからず、電話をかけると、スタッフの一人がバイクを飛ばして迎えに来てくれました。
 細い道を走り続けた先に、入り口が見えました。中に一歩入ると、廃材や竹などの材料がうずたかく詰まれています。 フレームなど形にした後、乾燥させているものもありました。 スタッフが中へ入ると、入れ替わりにオーナーが出てきました。中の工房の様子を見せていただけないかとお願いすると、 すぐに案内してくださいました。
 工房の中では、3つの工程に別れ、それぞれ2〜3人でフレームを作る作業をしていました。 一つはフレームの形を整え、その隣では、ラッカーのようなものを塗って艶出しをし、さらにその隣では、仕上げの磨きをかけています。 どの工程も、一つづつ丁寧に手作業で進めています。山のような数のフレームですが、さすがになれた手つきで次々と仕上がっていきます。

写真 素の木彫品 Junuary 2004 撮影    写真 工房の様子 Junuary 2004 撮影   
写真 工房の様子 Junuary 2004 撮影
「木彫品の補修」
 木彫品はタイの天然木が素材です。よく乾燥させた木を用いていますが、やはり 時間の経過とともに、ひび割れを起こたりします。日本とタイでは気候が全然違いますから、なおさらです。
 工房の中には、ひび割れがきている商品もありました。中には彫りがとても気に入ったものもあったのですが、ひびが入っていて商品としては扱えませんでした。 それにしても諦めるには惜しい商品もあります。スタッフに聞いてみると、ひび割れは補修できるということでした。 というより、木素材である限りひびはくるものなので、補修の仕方を教えてもらう方が賢明のようです。
 スタッフは、茶色のパテのようなものとラッカー、水の入ったバケツと布キレを持ってきました。パテは、粘土状でした。 色が商品の色とよく似ています。それの指先に少しとり、バケツの水でのばしながらひびの部分にすり込んでいきます。 何度も何度も丁寧にすり込んでいました。布キレをぬらしその上からさらにならしています。終わると、それを乾燥させます。そして、乾ききると、上からラッカーを塗って保護し、つやを出していきます。 補修の作業は、商品の出荷まで続くようです。

写真 詰め物 Junuary 2004 撮影    写真 ひび割れに刷り込む様子 Junuary 2004 撮影   
写真 ひび割れに刷り込む様子 Junuary 2004 撮影    写真 仕上げのラッカー塗り Junuary 2004 撮影   
写真 補修の様子 Junuary 2004 撮影

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