「メキシコの民族と衣裳」 November 2004


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メキシコの民族と衣裳

 大阪でも東京でも、「フィエスタ・メヒカナ」が開催され、メキシコの文化が紹介されていますが、その中の民族舞踏でもみられるように、衣装の華やかさにはいつも目を奪われます。 メキシコでも地方により、またそれぞれの民族により衣装の形、模様などそれぞれの特徴がありますが、この本ではメキシコの歴史に始まり衣装の特徴などをたくさんの写真とともに詳しく説明されています。
メキシコの民族と衣裳
 作者である稲村哲也氏は、学生時代に政府交換留学制度によりメキシコへ留学しオアハカ大学で文化人類学を学び、その後グァテマラ、 でインディオ社会の研究を進め、日本へ戻った後、再びペルーでリャマ・アルパカ牧民のフィールドワーク、ネパールやモンゴルでも 牧畜文化研究をすすめられました。
 その後、愛知県の野外民族博物館リトルワールドでの仕事を通じさまざまな民族文化を研究されるかたわら、この本を始め、執筆活動もされています。
 何といってもこの本は、ほぼどのページにもメキシコの美しい風景や色鮮やかな民族衣装の写真が載せられており、とても読みやすくなっています。
 この小さな文庫本ですが、内容は4つに分けられると思います。まずはフィエスタ・メヒカナでもおなじみの感のある、オアハカの「ゲラゲッツァ民族舞踊フェスティバル」の様子、 メキシコの歴史、メキシコの人々の暮らしと文化、そして、メキシコ各地の民族と衣装です。

 ゲラゲッツァ民族舞踊フェスティバルは、オアハカでおこなわれる大きなお祭りです。ゲラゲッツァとはサポテコ語で「たすけあい」の習慣を意味しているそうです。 農作業などの労働の互助や、日本の祝儀と同じように特別の機会に贈られる贈り物のことです。伝統的なインディオ(先住民族)の村のお祭りでは、お祭りの費用を負担する「マジョルドモ」と呼ばれる 主催者が年毎に選ばれます。お祭りに参加する人々は、マジョルドモに協力しさまざまな贈り物をするそうです。 ゲラゲッツァのお祭りでは、各地から集まる人々は、そういう慣例にならって、自分たちの土地の特産物を携えて踊り、踊り終わった後で観客の人々にその特産品をプレゼントするのです。 その特産品は、食べ物であったり、小物であったり、それぞれの民族の衣装とともに楽しめるようです。

 メキシコの歴史も、ふんだんに使われている壁画写真や遺跡の写真とともに、主にアステカ時代を中心に読みすすめます。 そして、それに続くメキシコの人々の暮らしと文化も、実際のインディオ(先住民族)の写真とともに、色々と想像させてくれます。

 そして、メキシコ各地の民族と衣装でも、どんどん繰り出される色鮮やかな衣装のかずかずに目を奪われます。それぞれの民族の独特の織りかたや模様、色使いなど、 現在もなお人々の生活の中に伝統的な織りの技術が息づいているようすが感じられるのです。

メキシコ国立民族学博物館 メキシコ国立民族学博物館

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