「アンクロン」
October 2003
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・アンクロン
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インドネシアの音楽というと真っ先に思い浮かぶのは「ガムラン合奏」でしょう。これは、国家祭礼や宗教儀式、あるいはお芝居などでも演奏されています。
その他に、インドネシアでは色々な種類のBamboo(竹)が自生しているので、それぞれの特性をうまく使って色々な工芸品、家具、そして楽器が作られています。
中でも、素朴な心地よい音色で人気のアンクロンをご紹介します。
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「アンクロンの歴史」
アンクロンはインドネシアのスンダ人が造り上げた民族楽器だといわれています。作られた当初は五音階しかなく、昔ながらの民族音楽しか演奏できませんでした。宗教的な儀式にも使われていたそうです。
そのため、西洋音楽が入るにつれどんどん衰退する傾向あったようです。
転機を迎えたのは1937年。Daeng Sutigna氏によってドレミ音階のアンクロンが考案され、他民族や外国の音楽も自由に演奏できるようになり、アンクロンが国中に再認識される等になりました。そして、現在はインドネシアの教育用楽器としても活躍しており、さらに世界中にも広がるようになりました。
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「アンクロンの構造」
楽器も色々に分類されますが、このアンクロンは「体鳴楽器」(それ自体が鳴る素材で作られた楽器のことです。)に分類されています。
体鳴楽器も、八つの基本形に分類されるのですが、その中でもアンクロンは「ラットル」(振る体鳴楽器に分類されます。)
インドネシアのアンクロンは、洗練された竹製のラットルで、調律された垂直の竹筒が水平の溝に沿って滑り、枠の竹に当たって
心地よい音を発します。インドネシアの竹は、日本のしの竹を太くしたようなものだそうです。しの竹も横笛の素材になっていますので
楽器作りに向いた竹です。
写真のように、一つのアンクロンで1音を出します。左手で枠の部分を持ち、右手で下のほうを持って左右に揺らします。何人かが集まり、一人1〜3本持って自分の担当する音階だけをならして演奏する形態や、
全音階を木の大枠につり下げ一人で演奏する形態などがあります。
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「アンクロンの調節」
アンクロンは、一応の調律はされて入ってきますが、半音階など微妙な調整が出来ていない場合もあります。
その場合でも、写真のように、バーの上部の部分や側面の部分をけずって微妙な調節が出来ます。参考になさってください。
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引用文献 「楽器」マール社刊
引用文献 「母と子の民族楽器作り」美術出版社刊
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