「ラビッツ・フット(ウサギの足)」
August 2003
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ラビッツ・フット
以前にご紹介したフクロウをはじめ色々な動物が、私たち人間を災いから守るとか幸運をもたらすとかいわれています。 その中から、今回は「ラビッツ・フット」(ウサギの足)についてご紹介しましょう。
「THE RABBIT'S FOOT」
ラビッツ・フットは今日でも、アメリカ等を中心に幸運のお守りとして根強い人気があります。どうしてこれほど人気が高いのでしょうか? 色々な説がありますが、いくつかあげたいと思います。
T.魔女がしばしばウサギの姿をしていると考えられていました。そのため、ラビッツ・フットを持っているということは、「私は魔女を殺しました!」ということを証明することだったというのです。
U・ウサギは子供をたくさん産むため、多産を表し生命力のシンボルでもあったのです。そのため、ラビッツ・フットを持つことは、 その人をより多産で、創造的で、繁栄するようにすると考えられていました。
V.ウサギは地下に穴を掘って暮らしているため、動物の体に宿ると言われている地下の霊と交流していると考えられていました。
W.ウサギは眼を見開いたまま生まれてくるので、いつでも開いているその眼は、邪眼に対する防護の力を与えると考えられていました。
X.劇場の控え室などでは、化粧のときに使うパフとしてラビット・フットは使われていました。 そのご、他の素材に取って代わられたときに、ラビッツ・フットは、出番を待つときの緊張を和らげ、舞台を成功させる幸運を招くアイテムとした考えられるようになったということです。
また、イギリスのウェールズ地方では、現在も、洗礼の形として、生まれたばかりの赤ん坊に幸運な人生を与えるために、赤ん坊の頭をラビッツ・フットで擦る習慣が残っているそうです。
「ヘミングウェイも愛したラビッツ・フット」
「老人と海」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」など、数々の名作を生んだ「アーネスト・ヘミングウェイ」はアメリカのイリノイ州の生まれです。
「青い背表紙のノート、2本の鉛筆それに鉛筆削り(ポケットナイフでは削り過ぎる)、大理石のテーブル、早朝のかぐわしさ、掃いたり拭いたりする音、それに幸運、必要なものはそれで充分だった。 幸運のためには、右のポケットにトチの実とウサギの足がはいっていた。長い間にウサギの足は磨り減って毛はなくなってしまい、骨と筋肉が磨かれてすべすべしていた。爪がポケットの裏に引っかかっていて、幸運がまだそこにあることが感じられた。 (ヘミングウェイ『移動祝祭日』より)
ヘミングウェイは大胆にして細心の注意を払い、慎重に行動するタイプの人だったようです。が、人一倍、さまざまな危険に遭遇し、何度か死に直面し、そのつど、難局を切り抜け、生き延びてきました。 いつ頃からかはわかりませんが、ヘミングウェイはいつもポケットにお守りを持ち歩いていたようでした。 ラビッツ・フットを摩耗するまで後生大事に持ち歩く、迷信深く、その爪がポケットに引っかかっていることを確認して、幸運が自分と共にあることを絶えず確認していたのでしょうか。
引用文献 「世界お守り大全」東洋書院刊
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