「トナラの工房」  May 2003


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K・エドワーズコレクション

 メキシコのトナラは工芸の町として有名ですが、たくさんの工房があります。 今回はその中でも、当店の取扱商品でもある、「K.エドワーズ」「ビジャヌエバ」の工房をご紹介したいと思います。
作品 「K.エドワーズ」
 K.エドワーズ(ケン.エドワーズ)は、アメリカのカンサスシティ生まれのアメリカ人です。 カンサスシティの芸術大学を卒業した後、メキシコのグアダラハラで4年間過ごした後、トナラの伝統的な焼き物を愛し、1959年からその地に自らの工房を持ちました。
 そして、トナラの伝統的な手描き装飾、上薬で絵付けをし低温で焼き上げる中国の伝統的技法、自分自身のオリジナルデザインをうまく組み合わせ、 独自のスタイルを発展させました。
 K.エドワーズの工房は、トナラの市から少し歩いた所にありますが、とても大きな工場というのがふさわしい建物です。 アポもなしに訪れたのですが、快く工房の中を案内してくれました。
 工房の中では、たくさんの職人さんが働いており、それぞれが色々な作業を受け持っていました。 絵柄の緻密さや製品の完成度の高さから、国内外からたくさんの注文をうけますので、一度に焼き上げる数も最大1000個くらいなのだそうです。 高温で2度焼き上げますので、食器などもオーブンに耐えられる強さです。 職人さんたちは、みんな真剣な表情で作業をこなしています。絵付けも何人かで手分けしておこないますので、同じデザインでも描く人によってタッチが随分違うものだと思いました。
 一連の作業を、説明を受けながら見学して回り、ショールームで商品を探しながら、オーダーについて値段やロットなど確かめていますと、 スタッフの一人が、K.エドワーズご本人に会いますか、といってくださいました。びっくりしましたが、めったにない機会なので、是非にお目にかかりたいと答えますと、すぐに呼びに行ってくださいました。
 ショールームに入ってこられた、K.エドワーズさんは180cm以上あろうと思われる背の高いがっしりとした方で、 あごひげを生やしておられますが、とても穏やかな表情の方でした。ご自分の焼き物についての考えや、中国や日本の陶器も随分勉強されたことも熱心に話されました。 もう、80歳を超えておられますが、まだまだ現役で、ご自身でも絵付けなどの作業を続けながら、後継者の育成にも力を注いでおられます。 そのうえ、メキシコだけでなく、実はグァテマラにも工房を作り、技術指導を続けていることをうかがい、飽くなき冒険心にとんだそのエネルギーに感心するばかりでした。

写真 工房の内部 Junuary 2003 撮影 写真 細部の手作り Junuary 2003 撮影   
写真 ケンエドワーズ工房 Junuary 2003 撮影
作品 「ビジャヌエバ」
 ビジャヌエバの工房も、K.エドワーズの工房から少し歩いた通りに面したところにあります。最初、記憶がうろ覚えだったので、通り過ぎてしまいましたが、 看板を見つけてたどりつきました。
 K.エドワーズの工房とは対照的に普通の一軒のお宅でした。呼び鈴を鳴らししばらく待っていますと、中から若い男性があらわれましたので、 用件を伝え、中へ入れてもらいました。間口の狭いお宅ですが、中は随分と奥深くまであるようです。工房は一番奥のようです。
 工房の中もそれほど広くはありませんでした。土の入った袋などが山積みにされており、その中で年配の男性が作業をしていました。 その男性が、ビジャヌエバさんご本人だったのですが、案内してくれた若い男性も息子さんでした。この工房は親子2人だけの工房だったのです。
 ビジャヌエバさんはトナラ生まれの、職人というよりは、芸術家といった方がぴったりする方です。 注文をうけた商品を作る傍ら、ご自分でも創作活動を続けているのです。 作品のいくつかは、コンクールでも入賞されているようで、何点かの作品は美術館などに展示されていることを話してくださいました。 親子ふたりだけの工房ですので、オーダーから出来上がりまで時間がだいぶんかかるようです。が、ここでは、同じデザインの絵付けに タッチが違うということはないようでした。その作品も、色使いが独特で、他の工房のものとはすぐに見分けがつきます。色目は黒と茶系だけの渋い落ち着いたタッチです。

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