「Kokopelli(ココペリ)」
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メキシカンシルバーのモチーフでもよく使われる「Kokopelli(ココペリ)」。背中の曲がった笛を吹く男であるその独特の姿は、根強い人気があります。
本来は、ネイティブインディアンの精霊(カチーナ)の一人ですが、どういった意味合いのある精霊なのでしょうか。
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「カチーナ」
カチーナというのは「尊敬すべき精霊」という意味だそうです。動物、植物、鉱物の霊、雲や星の霊、
あるいはかつて実在した人間の霊なども含まれています。
カチーナの数は現在知られているものだけでも、300以上もあるそうです。
カチーナは神様ではありません。人間と神様の中間に位置する存在です。人間に援助と導きを与え、
人間の祈りを神様に運ぶ媒介者なのです。
伝説では、人々が定住の地を求めて移動をはじめた頃、いくつかの氏族にカチーナが同行したと伝えられています。
人々を導く役目を持っていたようです。
現在も、色々な儀式の時には、人々がカチーナの扮装をしてダンスをしながら祈願をします。
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「ココペリ」
ココペリもそのカチーナの一人です。
北米大陸の南西部を中心とした地域に残されているペトログリフ(岩絵)にその姿を数多く刻まれています。
立ち止まっているココペリ、歩くココペリ、寝そべるココペリ、膝を曲げているココペリ、
腿をあげてフルートの音にあわせて軽やかに踊るココペリなどその姿態や動きもさまざまに岩の上に描かれています。
ココペリは一人だけの場合もありますが、数人が集まっていたり、鹿や大角羊の狩をしている場面、
蛇などの動物などと一緒の場面、二人並んで踊りながら歩いている場面、数人の人物に笛を吹かせている場面、
明らかに何らかの儀礼の最中であるように見える場面等など、さまざまな場面展開も見せています。
また、線画や塗りつぶしで描かれていたり、明らかに人間の形をしているものもあるものの、
何らかの虫にしかみえない頭をしたものなど、多様な手法で描かれています。
ココペリとはいったい何者なのでしょうか。
「ココペリが笛を吹くと、地面から緑が吹き出し、花が咲き乱れ、木々は生い繁り、
花粉は風に舞い飛び、動物たちは次々と子供を産み落とす。
ココペリは、発芽と豊穣を体現している神的存在である。」といわれています。
実りをもたらすココペリ、それについては多様な説がありますが、決定的な説は未だにありません。
いくつかの説をあげてみたいと思います。
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「マフとしてのココペリ」
ホピの神話の中で、人々が第4の世界に到着し、大陸の四隅に移動をはじめた頃、
あるクラン(氏族)には二人のマフ(熱の力を持つ虫)と呼ばれるキリギリスに似た虫人が同行しました。
ある山の峰にさしかかったとき、その土地を守っている巨大な鷲に土地にすむ許しを乞うたところ、
鷲は持っていた矢で二人のマフの身体を射抜きました。
しかし、マフは射抜かれたまま笛を取り出し美しい音楽を奏でて、高揚した霊の力でその傷を癒すのでした。
鷲はいたく感動し定住の許可を与えたのですが、このマフがココペリだといわれています。
この中であらわされている超自然的な力が、豊穣の神的存在といわれるゆえんではないでしょうか。
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「吟遊楽人としてのココペリ」
ココペリをかつてのメキシコ中部のアステカまたはトルテカの移動巡回商人とみる説もあります。
彼らは村々を巡り歩いて、自分達の到着を笛で告げたといわれています。背中には瘤に似た形の荷物を背負い、
笛を吹きながらやってくる商人たちは、オウムやコンゴウインコといった珍しい南方の鳥を
ターコイズなどに取り替えて歩いていきました。
とうもろこしがメキシコから持ち込まれたという事実から有力な説でもあります。
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「瘤の特別な意味」
ココペリの背中には大きな瘤があるため、昔、その地方に見られた病気にかかっていた人をあらわしているのではないかという説です。
もちろん、その人物が病人であることを人々に知らせるためではなく、
その種の人々は、普通の人間を超えた特別な存在であったのではないかということです。
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引用文献 「インディアンの夢のあと」 平凡社
引用文献 「ロックアート-神話そしてイマジネーション」 フィルムアート社
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