「ミュージックボール」 July, 2002

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 現在、私たちはストレスに囲まれて生活しているといっても過言ではないくらいですが、そのせいか「癒し」という言葉が注目されています。 「アロマテラピー」などもその効用がうたわれていますし、音楽を聴いたり、楽器を演奏したりと様々な方法が提案され、また試みられています。

 当店のミュージックボールはメキシコのD社の社長、ホルヘを中心に製作されていますが、メキシコでは「BOLA DE MUSICA(音楽のボール)」と呼ばれています。 オルゴールボール、ハーモニーボール、ドリームボール、メルヘンクーゲル、などそれぞれにネーミングされていますが、当店ではメキシコの名前に一番近い「ミュージックボール」と呼んでいます。
ミュージックボール  今回ご紹介する「ミュージックボール」も、一見、小さな可愛い丸い鈴なのですが、 手のひらで静かに転がしたり揺すったりして、そのやさしい音色を聞くことによって、 聞く人の心身のストレスを低減したり、脳波をアルファ波やシーター波に導くなど優れた効果があるとも言われています。
いったいいつの頃からこの「ミュージックボール」があったのでしょうか?どんなことに使われていたのでしょう。


「歴史」
 「ミュージックボール」は、ヨーロッパやアメリカなどでは「ハーモニーボール」「オルゴールボール」、などとも呼ばれていたり、インドネシアでは、その構造が似ている「ガムランボール」、「ドリームボール」などとも呼ばれていますが、 その歴史をたどっていくと、実はヨーロッパの古代ケルト民族にさかのぼります。 ケルト民族は、紀元前にヨーロッパ各地に広く分散して居住し、特色ある文化をもっていましたが、 ローマ世界と北ゲルマン世界の中に埋没してしまい、現ヨーロッパの各国の基に消えてしまいました。
 ケルト世界には「ドュルイド神官」と呼ばれる強力な支配権をもった人々がいました。 ドルは「樫(ブナ、ミズナラの木)」、ウイドは「知識」で、ドュルイドは、「樫の木の賢者」の意味です。 古代ヨーロッパやケルトでは、樫の木は神木で、至高の神の象徴だったのです。 樫の杖は魔力を持ち、ドュルイドの術をおこなう道具でもありました。

 ケルト社会でドュルイドは、政治・立法・裁判・宗教・医術・占星・詩歌および魔術も行う重要な位置にありました。 王様も、このドュルイド神官が儀式によって定めていたほどです。

 このドュルイド神官たちが、自然と一体化し、 深い瞑想を行うためにドュルイドベルと呼ばれる鈴を作り出しましたが、 そのドュルイドベルが「ミュージックボール」の原型だと考えられています。 神託を得るために、このドュルイドベルの音を響かせながら、 深い瞑想に耽っている姿を思い浮かべるととても神秘的です。 ドュルイドベルは、その後進化し、私たちの身近にもあるオルゴールへと発展していきます。


「素材」
 ミュージックボールの素材は、主にシルバーとアルパカ(スペイン語)ですが、 シルバーはご存知のように銀(純銀含有率は92.5%の925が主流です。)ですが、 アルパカは聞きなれない言葉です。アルパカは銅、亜鉛、ニッケルの合金です。耐食性に優れ比重も大きく、 熱伝導性が高くて触感が銀に非常によく似ています。 洋銀とかジャーマンシルバーとも呼ばれていますが、すべてこのアルパカと同じ金属です。
 シルバーとアルパカはまったく別の金属ですので、ミュージックボールとしての音色も違ってきます。 また、このミュージックボールは一つ一つがトーンチューニングされています。 色々のミュージックボールを静かに聞き比べてお好みの音色を探すのも楽しいでしょう。

「余談」
このドュルイド神官ですが、樫の木の杖を片手に持ち、 もう片手に宿り木(パナケア)を切る黄金の鎌を持ち、 白い衣に金の胸当て(ヨツダンモラン)と魔法のパックルをつけ、 長いひげをたくわえた老人の姿をして巨石の前に立つ姿を思い浮かべてみてください。 もうお気づきですね。 そうです、ドュルイド神官は後の魔法使いのモデルだったのです。

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参考文献 「世界の神話伝説」 自由国民社刊
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