「 ドリームキャッチャー 」
June, 2002
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ドリームキャッチャーは、もともとネイティブインディアンのお守りなのですが、今では各地で目にするようになっています。
今回は、ドリームキャッチャーの本来の意味を取り上げてみようと思います。
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夢 については、いろいろな考え方がありますが、世界中のいろいろな民族と同様に、ネイティブインディアンも、
夢は現実の裏にある見えない世界への入り口と考えています。人が見聞きし感じることができる世界と重なり合うようにして、時や空間の制約にとらわれない精神世界が広がっていて、夢はその世界を垣間見ることができるというのです。
精神世界とは文字通り、精霊や神の棲む普遍の時空。人の魂も本来の居場所は精神世界で、物質世界で人生を過ごしたあと、肉体の死で精神世界へ帰るといいます。
しかし実は人として生きている間も、魂は物質世界と精神世界を行き来することができ、夢はそうすることを許された時間だというのです。
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ドリームキャッチャーは、寝ている間に神秘な夢の世界へと旅に出る魂の安全を祈るお守りなのです。
「大いなる神秘」への祈りとともに、ピュアな心で精魂込めて作られるものです。
すべての夢を網で取り込み、悪夢は捨てて、よい夢だけを人に届けてくれるのです。
その形は蜘蛛の巣を模した網に小さなトルコ石や珊瑚などをからませ、わしの羽などの飾りをつけています。
輪はもともと柳の枝で作られ、セージで覆われていたようですが、今日ではそれらは木や金属でも作られ、いずれも皮で覆われています。
網そのものも、鹿の腱でできていましたが、今ではこれは禁じられていますので、現在のものは人口の腱などが使われています。
網にからませているトルコ石などもたくさんのこともあれば、一つだけのこともあり、まったくないものもあるようです。
網には真中に穴があることもありますが、それはよい夢を通すためのものです。
この穴がないものでは、よい夢は通り抜けられる道を見つけなければなりません。
はねの飾りも数も様々ですが、たいていは3本から7本の間が多いようです。
まれに1本ということもあるようです。
ドリームキャッチャーの習慣は、まずオジブワ族に始まり、それからクリー族を含む他のアルゴンキン族に広まったとされています。
ほとんどの部族は、よい夢は通り抜け、悪い夢は網につかまるということになっていますが、ラコタ族によると逆の考え方になっています。
つまり、網の中の穴は完全な円で、網はよい夢だけを捕まえ、悪い夢は穴を通り抜けてしまうということです。
矛盾する考え方ですが、悪夢が網でつかまって朝の光で消滅しようと、悪夢が網を通り抜けて永遠に消えてしまおうと、ドリームキャッチャーによって
楽しい夢で満たされた平穏な夜を楽しめるということに変わりはないのです。
「 夢は人より賢い 」
( オマハ族の格言 )
「 夢の意義は大きい。精霊が情けでひとを導いてくれるのだ 」
( クリー族の格言 )
「 すばらしい夢を見て、それを行動に移せ 」
( ナバホ族の格言 )
「 すべての夢は同じ網から編み出される 」
( ホピ族の格言 )
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引用文献 「アメリカインディアンの書物よりも賢い言葉」 扶桑社文庫刊
引用文献 「世界お守り大全」 東洋書林刊
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